幾望報

きねもておもちつけ

歴史餅

今日こそは手続きに成功した。やってやったぞ俺は。

以前失敗したとき(コスパ餅)から、一月ぶりに奇跡的な平日休みが取得できたのでリベンジを行った。前回誤って準備できていなかった書類もばっちりだ。勢い勇んで早起きして行った。以前よりも空いていたのでわりとスムーズに事は運んだ。いやはや奇跡と思っていた平日休みもとろうと思えばとれるもので、月一で起こる奇跡も悪くはない。今後もどんどん起こしていこうと思う。

 

そこで帰る道すがら、間違えて国道ではなく人気のない河口へ来てしまった。適当なところでUターンしたが、その一瞬に見えた舟の影がどうも脳裏に残っている。何年もそこに係留、ないし残置されているような姿だった。

そうして何とはなしに思い出したのが『高瀬舟青空文庫)』という話だ。久しぶりに読んだ。が、今回の話は別にそのことではない。

こうしたときに私の頭の中に思い起こされるのは高瀬舟自体ではなくて、その後次々と連想ゲームのように浮かんでいく脈絡のない要素だ。河口で舟を見た。舟と言えば高瀬舟。これは森鷗外の筆によるものだ。進学校の教科書によく載るせいか『舞姫』で有名な鷗外だが、それにはまったく触れず森鷗外の人生をテーマにした歌がある。これはエレカシが歌っている。「凄みのある口語文は最高さ」などと宮本が歌うから笑ってしまう。凄みのあるのはあんただろ。彼はそんな鷗外の人生を指して「男の生涯にとって死に様こそが生き様だ」と最後に歌い上げるんだけれども、一体我々は死ぬまでに何を成し何を残せるんだろうかと考えながら自分は車を運転して帰ってきた。その歌のタイトルが『歴史』。ただ実際車内で聴いていたのはこれ。

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まあある意味歴史ですよ。「恋とは結末が全てなの」ってもう実質さっきの歌詞と一緒じゃないですか。もうエレカシエレカシ

森鷗外をタピオカミルクティーに漬け込むとたぶんこれになるんよ。

でも森鷗外エレカシのメンバーじゃなかった。なんでだろうね。

 

 

歴史ついでに話をしておくと、歴史のファンタジー解釈漫画が大好きなので簡単に紹介する。

みんな大好きだから『ゴールデンカムイ』『ドリフターズ』は特に説明が必要ないね。

前者はアイヌ変態バイオレンスグルメ漫画

後者は敗軍転生バイオレンス島津漫画。以上だ。作者の性癖がつまったオパイーヌがかわいいぞ。

次に、昔から大塚英治が好きなんだけど特に面白いのが『北神伝綺』『木島日記』『八雲百怪』といった民俗学シリーズ。現代が舞台の作品もいくつか読んでたけどやっぱり大塚英治は歴史と絡めたほうが面白い。それぞれ柳田國男折口信夫小泉八雲が登場する。ロンギヌスの槍は実は草薙剣ヒトラーが狙っている~みたいな話はぶっ飛んでてハイになれるけど読んでて眠くなってくるぞ。たぶんブックオフで100円で買える。

また、これは後輩に教えてもらったものだけれど『陰陽頭 賀茂保憲』という伊藤勢の漫画。そろそろこの時代には胃もたれしがちなあふれ出る昭和ギャグセンスはまあ置いておくとして、安倍晴明の師匠である最強陰陽師の主人公が平安京を燃える牛車で駆け抜けたり道真の怨霊パワーをつかって巨大モンスターを倒したりする大変愉快な内容。虫めづる姫君など、現存する古典文学や歴史書・神話をベースにしながらファンタジーで丸め込もうという勢いがすごくいい。1巻しかないのが残念だ。これも100円で買える。

で、それらもそれらだけども最近特におすすめしたいのはUMA大好き久正人の『カムヤライド』という日本神話を舞台にした埴輪変身ヒーロー漫画。各地でよみがえる国津神を、化け物に改造された地方豪族もろともばったばったと蹴り倒していく特撮ものだ。設定の何もかもがイカす。だって埴輪で変身するんだよ?馬鹿じゃないのか、かっこいいなクソ。あとキャラクターのセリフで漢語を「奇跡(くしあと)」「爆発(はぜたち)」などと無理やり和語で読ませるところも最高にクールだ。暑苦しいわ。いいやクールだね。極めつけは顔から出る前方後円墳ビームだ。かっこいいだろ。いかれてるとしか思えねえ。絶対前方後円墳ビーム撃ちたい。

 

とまあつまるところ歴史はロマンだという話だ。

私は特に遮光器土偶なんかが家に一基欲しいと思ってるけどもね。あれはいいものですよ。