幾望報

きねもておもちつけ

2020-01-01から1年間の記事一覧

病餅

少し前から難病にかかった、と父が言うので身構えていたが、こういう名前の病気でこういう状況で今はこういう治療をしている。まあ大丈夫だ。なんて冷静にいうものだからホォンと思ってしばらくさほど考えないふりをしてきたが、このほど年末年始の集まりを…

がらくた餅

がらくたが好きだ。好きすぎてあまり理解されない。 逆に聞くがみんな正気なのか? がらくただぞ。そんなもの、いいものに決まっている。 まずもって名前がいい。 がら、としていて、くた、としているのだ。 いい×いい=とてもいい、というわけだ。 ありがと…

ポケ餅①

小学校に入ったころだかにゲームボーイの緑色のを買ってもらって、以来ずいぶん遊んだものだ。緑色が好きだったのでポケモンも緑を買ってもらったが、正直赤のパッケージのやつがカッコイイと思っていたので、緑のカセットの裏に油性マジックでリザードンを…

向井餅

向井秀徳語検定1級試験問題 解答例 日本国憲法前文翻案 俺は、酒毒に浸食された脳における恥のアーカイブスをダビングして歩き出し、俺と妄想人類諸君のガキのために、犬猫畜生との意味の分からん言葉による意思の疎通と、冷凍都市全土にわたって暮らしのも…

パン餅

何かで気持ちがズンと沈んでいかんともしがたさが自分の外にまで漏れ出ていると、たいてい妻が「家のことはいいから、なんでも好きなもの買ってきて元気出して!寄り道してきてもいいし」と気を遣って外に行く口実まで作ってくれるのだが、私はというとそう…

子餅

「膝に矢を受けてしまってな…(だから戦場には戻れない)」 という言葉は、物理的にケガをしたのではなくて、矢を受ける=膝をつく=求婚(結婚)するという意味で、つまり自分は妻子を持つ身なのでもう危険なことはできないよという意味になるのだと、どこ…

透明餅

気づいたら俺はなんとなく夏だった この向井秀徳の『透明少女』の一節を思い出すのは決まって夏の盛りなのだが、このようにいつのまにか過ぎてしまった節目を後ろ目に見送るようなときは、それが夏でなくともやっぱりこの言葉を思い出してしまう。 それで今…